親族から墓じまいを反対されてお困りではありませんか?
この記事では、墓じまいを円満に進めるための具体的な対処法をご紹介します。墓じまいの反対意見に対する説得のコツから、スムーズに同意を得るためのポイントまで詳しく解説します。

墓じまいに親族が反対する理由とは?
墓じまいに親族の同意が得られない理由は、主に以下の5つに分けられます。それぞれの理由を理解することが、対処の第一歩です。
1. 先祖やお墓に対する考え方の相違
親族から墓じまいの同意を得られない最大のポイントは、先祖やお墓に対する考え方です。特に高齢の親族からは次のような反対意見が出やすいでしょう。
- 「墓じまいなんて、ご先祖様に失礼だ!」
- 「お墓を動かすと祟りがある、バチが当たる!」
- 「本家なら墓を守るのは当然だ!」
- 「先祖代々の墓をなくしてはいけない」
- 「お墓には先祖代々の魂が眠っている」
これらの考え方は、日本の伝統的な先祖崇拝の文化に根ざしたものです。特に高齢者の方々には、このような考え方が強い傾向があります。
2. お参りする場所がなくなることへの不安
お墓は「先祖とのつながり」を感じる象徴的な場所です。墓じまいによってお参りできる場所がなくなることへの不安も、反対の大きな理由となります。
お彼岸やお盆に定期的にお墓参りをしていた家庭では、「手を合わせる場所がなくなってしまう」という不安が大きいものです。

3. 費用負担の問題
墓じまいには、墓石の撤去費用や新しい供養方法にかかる費用が発生します。費用負担を誰がどれだけ担うかが不透明だと、親族間で不公平感が生まれ、反対の声が上がりやすくなります。
遠方に住んでいる親族からは「自分はあまり関与していないのに費用を負担するのは納得できない」という意見が出ることもあります。
4. 新しい供養方法への抵抗
永代供養墓や樹木葬、散骨などの新しい供養方法に対して、「昔ながらの方法でないと供養にならない」「新しい供養は先祖に対して失礼ではないか」といった考えから反対されることもあります。
近年の永代供養墓の形が一般的になったのは2000年頃からで、高齢者にとっては比較的新しい概念です。
5. 勝手に墓じまいされたと思われる不信感
何度説明しても「あの家に勝手に墓じまいされた」と言われることがあります。これは単に説明不足というより、「こちらの話を聞いてくれない」という不満の表れであることが多いです。
墓じまいで親族トラブルが起きる割合
株式会社まごころ価格ドットコムの2015年調査によると、墓じまいに関するトラブルで最も多いのが「親族間トラブル」で17%を占めています。これは、墓じまいが感情的な問題と実務的な問題が複雑に絡み合う課題であることを示しています。
特に先祖代々墓の墓じまいでは、世代間でお墓に関する概念のギャップがあり、トラブルが発生しやすい傾向にあります。
親族の同意を得るための7つの効果的な対処法
1. 相手の気持ちに寄り添うアプローチ
親族の反対意見に対して、まずは「そうですよね。私もはじめはそう思ったんですが...」と相手の気持ちに寄り添いましょう。感情的にならず、相手の意見をしっかり聞くことが大切です。
反対意見を尊重し、誠実に話し合いを重ねることで信頼関係を築けます。じっくり時間をかけて対話することが合意への第一歩です。
2. 専門家(僧侶など)のサポートを受ける
墓じまいに関する問題は、お寺の僧侶に一緒に相談することが効果的です。特に「お墓を移すとバチが当たる」といった迷信に対しては、僧侶からの説明が説得力を持ちます。

また、墓じまい代行業者(石材店)や行政書士などの専門家の意見を聞くことで、冷静な判断がしやすくなります。第三者からの助言が安心材料となり、反対意見が和らぐ可能性があります。
【お墓の専門家に相談する】
厚生労働省:墓地・埋葬等のページで公的な情報を確認しましょう。
3. 墓じまい後も供養は続くことを丁寧に説明
「墓じまい=供養の終了」ではないことを親族に説明しましょう。永代供養墓や自宅供養、合同供養など、墓がなくても心を込めた供養ができることを伝えることが大切です。
供養は形ではなく、気持ちの問題であることを丁寧に説明します。新しい供養方法を提案する際には、具体的なメリットを示すと理解を得やすくなります。
4. 墓じまいの具体的なメリットを説明
「誰もお墓参りに行けなくなる」「お墓が荒れ放題になる」ほうがご先祖様に失礼ではないかと伝えましょう。また、永代供養にすれば、誰も行かなくても管理してもらえたり供養してもらえるので、ご先祖様も喜ぶはずだと説明します。
5. 費用負担の明確化
墓じまいの費用については、事前に業者から見積もりを取り、どのような割合で費用を負担するかを親族間で公平に協議することが大切です。
基本的には、お墓に関する費用はすべて祭祀承継者の責任ですが、高額になる場合は費用の分担を検討することも一つの選択肢です。費用の内訳を明確にし、透明性を保つことでトラブルを防げます。
6. 同意書の作成と活用
親族全員が同意したら、同意書を作成しておくことをおすすめします1。同意書には親族全員の署名と押印をもらい、正式な合意書として保管しましょう。
同意書を作成することで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。原本は祭祀承継者が保管し、コピーを親族に配布するとよいでしょう。
7. 墓じまいの行事に親族の参加を促す
実際の墓じまいの際には、できるだけ親族全員に参加してもらうことが理想的です。参加することで「自分も墓じまいに関わった」という実感を持ってもらえます。
閉眼供養への参列や新しい供養先への納骨など、重要な場面に立ち会ってもらうことで、墓じまいが家族全体の意思決定だったという共通認識を作ることができます。
お墓のお手入れに便利なアイテム
墓じまいを検討している間も、大切なお墓を綺麗に保ちたいものです。定期的なお手入れに役立つ商品をご紹介します。

【お墓のお手入れ用品】
楽天市場で人気の墓石クリーナーは、長年の汚れも落とせるとご好評いただいています。お墓参りの前に使って、ご先祖様に綺麗なお墓でお迎えしましょう。
信頼できる墓じまい代行サービス
墓じまいの手続きは複雑で、専門知識が必要です。信頼できる代行サービスを利用すれば、親族とのトラブルも最小限に抑えられます。
代行業者に依頼すると、行政手続き、お骨の取り出し、墓石の解体・処分、墓地を更地に戻すといった作業をワンストップで行ってもらえます。
評判の良いサービスをチェックしてみてください。
まとめ:円満な墓じまいに向けて
墓じまいは家族や親族にとって大切なテーマであり、慎重な配慮が求められます。親族からの反対意見に耳を傾け、誠意を持って対応することが、納得のいく結論を導く鍵です。
墓じまいを検討されている方は、以下のポイントを押さえて進めてください:
- 親族の考え方や気持ちを尊重する
- 専門家(僧侶など)のサポートを受ける
- 墓じまい後も供養は続くことを説明する
- 具体的なメリットを伝える
- 費用負担を明確にする
- 同意書を作成する
- 墓じまいの行事に親族の参加を促す
墓じまいは、新しい供養のスタートと前向きに捉え、親族全員で故人を敬う気持ちを大切にしながら進めていきましょう。
墓地・埋葬等に関する法的な情報は、厚生労働省の公式サイトで確認することをおすすめします。
